特許・商標登録・意匠登録、著作権・国際契約・訴訟事件・知的財産権全般を扱う秀和特許事務所
2014年
開催日
事件番号平成25年(ネ)第10090号
技術分野特許
キーワード訂正の再抗弁
担当弁理士山田修一
原告レニショウ パブリック リミテッド カンパニー、レニショウ トランスデューサ システムズ リミテッド
被告ナノフォトン株式会社
判決結果請求棄却
争点進歩性の欠如、損害論
事案の概要

特許侵害訴訟において、損害賠償金および遅延損害金の支払いを求めた事案である。訴訟において裁判所は、訂正請求等を伴わない訂正の再抗弁について、以下のように判示した。

無効の抗弁が,実際に無効審判請求をしなくても主張できると解される一方で,訂正の再抗弁は,実際に訂正審判等をする必要が求められるわけであるが,これは,無効の抗弁が,客観的根拠を有する証拠等に基づいて主張する必要があるのに対し,訂正の再抗弁は,所定の要件さえ満たせば特許権者において随意の範囲にて主張することが可能であることに由来する相違であって,両者の扱いに不合理な差別があるわけではない。ただし,特許権者が訂正請求等を行おうとしても,それが法律上困難である場合には,公平の観点から,その事情を個別に考察して,訂正請求等の要否を決すべきである。

開催日
事件番号平成25年(行ケ)第10326号、平成25年(行ケ)第10327号
技術分野医薬品
キーワード特許法67条の3第1項1号の該当性
担当弁理士倉元なぎさ
原告アストラゼネカ・ユーケイ・リミテッド
被告特許庁長官
判決結果請求棄却(拒絶審決維持)
争点化学療法未治療患者への本剤投与に係る特許発明の実施について、本件処分を受けることが必要であったか否か
事案の概要

「キナゾリン誘導体,その製造法および該キナゾリン誘導体を含有する抗癌作用を得るための医薬調剤」とする特許第2994165号及び特許第3040486号の特許権者である原告が、イレッサ(ゲフィチニブ)の追加適用の承認をもって請求した存続期間の延長について、拒絶審決が維持された事案。

先行する承認において、添付文書に使用上の注意(特定用途への注意喚起)を記載することも含まれていたので、該特定用途には実質的に発明を実施できず、該注意を削除するには追加の試験・承認が必要だったため、存続期間の延長が認められるべき、というのが原告の主張だが、裁判所はこれを否定した。

開催日
事件番号平成25年(行ケ)第10209号
技術分野医薬
キーワード進歩性
担当弁理士阿津川裕佳
原告カルピス株式会社
被告特許庁
判決結果審決取消(請求認容)
争点原告の特許出願(特願2008-50051(不服2011-151))が、引用文献から進歩性を有するか否か
事案の概要

本願発明と引用発明との差異は、本願発明では「血管内皮の収縮・拡張機能改善及び血管内膜の肥厚抑制の少なくとも一方の作用を有する剤」であり、引用発明においては、「ACE阻害化成を示す、抗高血圧剤」である点である。本願優先日当時の当業者の一般的な認識に鑑みれば、当業者が、ACE阻害活性の有無に焦点を絞り、引用発明においてIPP及びVPPがACE阻害活性を示したことのみをもって、引用例2から5に記載されたACE阻害剤との間には種々の差異があることを捨象し、IPP及びVPPも上記ACE阻害剤と同様に、血管内皮の昨日改善作用、血管内膜の肥厚抑制作用を示すことを期待して、IPP及び/又はVPPを用いることを容易に想到したとは考え難い。

開催日
事件番号平成26年(ワ)第770号
技術分野商標
キーワード商標的使用
担当弁理士土野史隆
原告興和株式会社
被告Meiji Seika ファルマ株式会社
判決結果請求棄却
争点被告標章の使用が商標的使用に当たるか
事案の概要

本件は,薬剤を指定商品とする商標登録「PITAVA(標準文字)」を有する原告が,被告が薬剤に付した「ピタバ」の標章が原告の商標権の登録商標に類似すると主張して,被告に対し,商標法36条に基づき,被告標章の使用の差止め及び被告標章を付した薬剤の廃棄を求める事案であり,裁判所は以下のように判示した。

被告標章は,被告商品の有効成分であるピタバスタチンカルシウムの略称として被告商品(錠剤)に表示されているものであって,・・・(省略)・・・そうすると,被告商品の主たる取引者,需要者である医師や薬剤師等の医療関係者は,被告商品に接する際,その販売名に付された会社名(屋号等)「明治」に加えて,被告商品のパッケージであるPTPシートに付された「明治」との表示や被告商品に併せて表示されている「明治」や「MS」の表示によってその出所を識別し,錠剤に表示された被告標章は,被告商品の出所を表示するものではなく,有効成分の説明的表示であると認識すると考えられる。

開催日
事件番号平成25年(行ケ)第10171
技術分野特許
キーワード進歩性
担当弁理士増渕敬
原告株式会社シンクロン
被告株式会社オプトラン
判決結果請求棄却
争点進歩性の有無
事案の概要

「成膜方法」および「成膜装置」に関する特許第4823293号について、被告がした無効審判請求(無効2012-800109号事件)を成立とした審決の取消訴訟において、裁判所は、進歩性の有無に関し、以下のように判示した。

甲1論文におけるドームを支える軸の周囲に描かれた円形状の矢印をみた当業者は,本件特許出願当時の技術水準に従って,軸の回転に伴ってドームが回転し,ひいてはドームに載置された複数の基板も回転すると理解するものと解される。 したがって,相違点2は実質的相違点でないとした審決の判断に誤りはない。

開催日
事件番号平成25年(行ケ)第10058号
技術分野特許
キーワード進歩性
担当弁理士筧ちひろ
原告X
被告アルコン リサーチ,リミテッド、協和発酵キリン株式会社
判決結果請求容認
争点進歩性の有無
事案の概要

「アレルギー性眼疾患を処置するためのドキセピン誘導体を含有する局所的眼科用処方物」に関する特許第3068858号について原告(X)がした無効審判請求(無効2011-800018号事件)を不成立とした審決の取消訴訟において、裁判所は、進歩性の有無に関し、以下のように判示した。

甲1及び甲4に接した当業者は,甲1記載のアレルギー性結膜炎を抑制するためのKW-4679を含有する点眼剤をヒトにおけるアレルギー性眼疾患の点眼剤として適用することを試みる動機付けがあり,その適用を試みる際に,KW-4679が,ヒト結膜の肥満細胞から産生・遊離されるヒスタミンなどに対する拮抗作用を有することを確認するとともに,ヒト結膜の肥満細胞からのヒスタミンの遊離抑制作用を有することを確認する動機付けがあるというべきであるから,KW-4679についてヒト結膜の肥満細胞からのヒスタミンの遊離抑制作用(「ヒト結膜肥満細胞安定化」作用)を有することを確認し,「ヒト結膜肥満安定化剤」の用途に適用することを容易に想到することができたものと認められる。

開催日
事件番号平成25年(行ケ)第10239号、平成25年(ワ)第30098号
技術分野特許
キーワード進歩性
担当弁理士石丸竜平
原告 【審決取消訴訟】
日揮触媒化成株式会社
【特許侵害訴訟】
三井金属鉱業株式会社
被告 【審決取消訴訟】
三井金属鉱業株式会社
【特許侵害訴訟】
日揮触媒化成株式会社
判決結果 【審決取消訴訟】
請求容認
【特許侵害訴訟】
請求容認
争点 【審決取消訴訟】
新規性の欠如、進歩性の欠如
【特許侵害訴訟】
新規性の欠如、進歩性の欠如、差止請求等の当否、損害論
事案の概要

特許侵害訴訟に関わる特許発明の進歩性の有無が争われた事案である。審決取消訴訟において裁判所は、新規事項追加の有無に関し、以下のように判示した。

スピネル型マンガン酸リチウムであって,その原料として電解二酸化マンガンを用いる甲1発明において,高温保存性やサイクル特性を向上させるために,ナトリウムを取り込むという広く知られた手段を用いることとし,その際,水酸化ナトリウムで中和することによってナトリウムを含有することが広く知られている電解二酸化マンガンを原料として利用すること(甲5)に着目し,これを原料として使用することでLiMn1.85Li0.1Al0.05O4の結晶構造中にナトリウムを取り込み,それによりマンガンの溶出を抑制することは,当業者が容易に想到することであると認められる。

また,電解二酸化マンガンについて,中和によりどの程度のpHとするか,また,ナトリウムの含有量をどの程度とするかは,ナトリウムの単なる量的条件の決定にすぎず,上記解決手段を具現化する中で適宜選択される最適条件にすぎないから,pHを2以上とするとともに,ナトリウムの含有量を0.12~2.20重量%とすることも,当業者が容易に想到することであるといえる。

開催日
事件番号平成25年(ネ)第10043号
技術分野通信
キーワードFRAND、権利濫用、損害額
担当弁理士関誠之
原告Apple Japan合同会社
被告三星電子株式会社
判決結果一部認容(損害賠償請求は、ライセンス料相当額を超える部分では権利濫用)
争点損害賠償請求権の行使の権利濫用の成否,損害額、ほか
事案の概要

控訴人による損害賠償請求は,FRAND条件でのライセンス料相当額を越える部分では権利の濫用に当たるが,FRAND条件でのライセンス料相当額の範囲内では権利の濫用に当たるものではないと判示された。

また、FRAND条件によるライセンス料相当額は,本件製品2及び4の売上高に,本件製品2及び4がUMTS規格に準拠していることが売上げに寄与したと認められる割合を乗じ,さらに累積ロイヤリティが過大になることを防止するとの観点から,その上限となる率を乗じ,UMTS規格の必須特許の数で除することで算出された額と認定された。

なお、部品(特許製品の生産にのみ用いる物)の譲渡について、第三者が部品を用いて特許製品を生産した場合においては、特許発明の技術的範囲に属しない物(部品)を用いて新たに特許発明の技術的範囲の属する物が作出されていることから、当該生産行為や特許製品の使用、譲渡等の行為について特許権の行使が制限されるものではないとするのが相当であるとされた。

開催日
事件番号平成25年(行ケ)第10195号
技術分野医薬
キーワード存続期間の延長登録出願(特許法第67条の3第1項1号)
担当弁理士杉江顕一
原告ジェネンティック,インコーポレイテッド
被告特許庁
判決結果審決取消(請求認容)
争点原告の特許第3398382号の存続期間の延長登録出願(不服2011-8105号))が、特許法第67条の3第1項1号の拒絶理由を有するか否か
事案の概要

審査官(審判官)が,存続期間の延長登録出願を拒絶するためには,①「政令で定める処分を受けたことによっては,禁止が解除されたとはいえないこと」(第1要件),又は,②「『政令で定める処分を受けたことによって禁止が解除された行為』が『その特許発明の実施に該当する行為』には含まれないこと」(第2要件)のいずれかを選択的に論証することが必要となる。医薬品の成分を対象とする特許については,薬事法14条1項又は9項に基づく承認を受けることによって禁止が解除される「特許発明の実施」の範囲は,「名称」,「副作用その他の品質」や「有効性及び安全性に関する事項」を除いた事項(成分,分量,用法,用量,効能,効果)によって特定される医薬品の製造販売等の行為であると解するのが相当である。本件先行処分では,本件医薬品の使用行為,及び本件医薬品の製造販売等の行為の禁止は解除されておらず,本件処分によってこれが解除されたのであるから,本件処分については,前記第1要件を充足していないことは,明らかである。

開催日
事件番号平成25(行ケ)1008
技術分野半導体
キーワード容易想到性
担当弁理士諌山雅美
原告ユニティー オプト テクノロジー カンパニー リミテッド
被告日亜化学工業株式会社
判決結果請求棄却
争点甲1発明からの容易想到性の判断、特に、結晶成長時のキャリアガスを切り替えるという構成に容易に思いつくか否かが争われた
事案の概要

被告のもつ「窒化インジウムガリウム半導体の成長方法」の特許に対して原告がした無効審判の請求棄却審決の取り消しを求めた審決取り消し訴訟で、特許が維持された事案である。裁判所は、GaN層の形成時とGaInN層の形成時とでキャリアガスを切り替えるとの構成に容易に想到し得るとは認められないとし、当業者が引用文献の記載から本件発明の相違点に係る構成に容易に想到し得るとはいえないとして被告特許の進歩性を認め、原告の請求を棄却した。

開催日
事件番号平成24年(行ウ)第591号
技術分野
キーワード査定
担当弁理士堺繁嗣
原告レクサンファーマシューティカルズインコーポレイテッド、コーリアリサーチインスティテュートオブケミカルテクノロジー
被告特許庁長官
判決結果請求一部認容(特許査定取消)
争点特許査定を取り消す旨の決定を求める異議申立てが可能か
事案の概要

特許法195条の4にいう「査定」には特許査定の全てが含まれるのではなく,処分に審査官の手続違背があると主張される場合の特許査定は含まれない(から特許査定を取り消す旨の決定を求める異議申立てが可能である)。

開催日
事件番号平成26年3月26日 平成25年(行ケ)第10172号
技術分野食品
キーワード明確性
担当弁理士杉本良平
原告株式会社JKスクラロースジャパン
被告三栄源エフ・エフ・アイ株式会社
判決結果審決取消(請求認容)
争点訂正に伴い本件発明に追加された「甘味を呈さない量」という記載は,不明確か否か
事案の概要

審決では、証拠として提出された文献に基づき、甘み閾値は極限法で測定するのが一般的であると認められることから,本件訂正特許明細書に具体的測定方法が定義されていなくとも,本件出願当時の技術常識を勘案すると不明確であるとまで断言することはできない、と判断した。これに対して裁判所は、甘味閾値の測定方法が訂正明細書に記載されていなくとも,極限法で測定したと当業者が認識するほど,極限法が甘味の閾値の測定方法として一般的であるとまではいえず,また,極限法は人の感覚による官能検査であるから,測定方法等により閾値が異なる蓋然性が高いことを考慮するならば,特許請求の範囲に記載されたスクラロース量の範囲である0.0012~0.003重量%は,上下限値が2.5倍であって,甘味閾値の変動範囲(ばらつき)は無視できないほど大きく,「甘味の閾値以下の量」すなわち「甘味を呈さない量」とは,0.0012~0.003重量%との関係でどの範囲の量を意味するのか不明確であると認められるから,結局,「甘味を呈さない量」とは,特許法36条6項2号の明確性の要件を満たさないものといえる、と判示して審決を取り消した。

開催日
事件番号平成25年(行ケ)第10201
技術分野特許
キーワード補正、新規事項追加
担当弁理士山田修一
原告有限会社金山化成、日本ポリ鉢販売株式会社
被告株式会社東海化成
判決結果請求認容
争点新規事項追加の有無
事案の概要

原告による補正が新規事項追加であるか争われた事案である。裁判所は新規事項追加の有無に関し、以下のように判示した。

本件補正により新たな技術的事項が導入されるか否かについて検討するに,前記(1)のとおり,本件補正によると,育苗ポットの側面の全周に段差部が形成されたものや,一つの側壁の全幅に渡って段差部が形成されたものまでが「段差部」に含まれることとなる(技術事項A)が,この場合,段差部において差込み口が形成されている領域と差込み口が形成されていない領域とが区別できなくなり,差込み口の位置を側壁の外面から把握できない結果となる。上記のとおり,差込み口のある側壁部分と他の側壁部分とを区別させる第1凹部の構成は,側壁の外面から差込み口を容易に把握できるという本件発明の技術課題の解決手段として設けられたものであることからすれば,本件補正により第1凹部を設けない場合には,当初発明の技術課題を解決することにはならないから,技術事項Aは,新たに導入した技術的事項に該当するというべきである。

開催日
事件番号平成23年(ワ)第27102
技術分野特許
キーワード技術的範囲、分割出願
担当弁理士大竹裕明
原告アイピーコム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
被告イーアクセス株式会社
判決結果請求棄却
争点技術的範囲の属否
事案の概要

被告製品が特許第4696176号の特許発明の技術的範囲の属否に関して争われた事案である。裁判所は技術的範囲の属否に関し、以下のように判示した。

分割出願においては,分割出願に係る発明の技術的事項が原出願の特許請求の範囲,明細書又は図面に記載されていることを要し(特許法44条1項参照),分割出願において,原出願からみて新たな技術的事項を導入することは許されないのであるから,分割出願の特許請求の範囲の文言は,原出願の特許請求の範囲,明細書又は図面に記された事項の範囲外のものを含まないことを前提にしていると解するのが合理的であり,そうすると,分割出願の特許請求の範囲に記載された用語の意義を解釈するにおいては,原出願及び分割出願の特許請求の範囲及び明細書等の全体を通じて統一的な意味に解釈すべきである。

したがって,本件においても,本件発明の技術的範囲を確定するに当たっては,原出願に係る明細書である原出願翻訳文の記載についても参酌することが相当である。

開催日
事件番号平成25年(行ケ)第10019
技術分野特許
キーワード数値限定発明、進歩性
担当弁理士菅家博英
原告ピジョン バイタリティ エーエス、X1、X2
被告特許庁長官
判決結果請求認容(審決取消)
争点進歩性
事案の概要

原告特許出願2006-542523「食品及び飼料サプリメントとその使用」についてなされた、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないということを理由とする拒絶審決の取消を求めた事案である。裁判所は争点につき主に以下のように判示し、拒絶審決を取り消した。

・・・要は,引用発明におけるサプリメントの乾燥重量1g当たり各1.77mgのビタミンB6,B9及びB12という濃度を,本願補正発明の「サプリメントの乾燥重量1g当たり10~50mgの量のビタミンB6,B9及びB12」との濃度の範囲内とすることが容易に想到できるかどうかが問題であって,本願明細書にビタミンB6,B9及びB12を上記濃度で配合することの作用効果及び技術的意義の記載並びにその上限と下限の臨界的な技術的意義の記載がないことや,実施例に見られる本願補正発明の効果が本願補正発明により特定された上記ビタミン類の濃度によりもたらされたものなのかどうかは,上記容易想到性の判断とは関係のない事項であるから,被告の上記主張は失当というほかない。

開催日
事件番号平成25年(行ケ)第10158
技術分野商標
キーワード自他商品等識別力、品質誤認
担当弁理士土野史隆
原告エイト マイ ハート インコーポレイテッド
被告特許庁長官
判決結果請求棄却
争点 ①本願商標の商標法3条1項3号該当性
②本願商標の商標法4条1項16号該当性
事案の概要

原告商標登録出願2011-21592「LADY GAGA(標準文字)」についてなされた、商標法3条1項3号及び4条1項16号違反を理由とする拒絶審決の取消を求めた事案である。裁判所は各争点につき以下のように判示し、拒絶審決を維持した。

本願商標を,その指定商品中,本件商品である「レコード,インターネットを利用して受信し,及び保存することができる音楽ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」に使用した場合,これに接する取引者・需要者は,当該商品に係る収録曲を歌唱する者,又は映像に出演し歌唱している者を表示したもの,すなわち,その商品の品質(内容)を表示したものと認識するから,本願商標は,自他商品の識別標識としての機能を果たし得ない。したがって,本願商標は,商標法3条1項3号に該当する。

また,本願商標を,本件商品である「レコード,インターネットを利用して受信し,及び保存することができる音楽ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」のうち「LADY GAGA」(レディ(ー)・ガガ)が歌唱しない品質(内容)の商品に使用した場合,「LADY GAGA」(レディ(ー)・ガガ)が歌唱しているとの誤解を与える可能性があり,商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。したがって,本願商標は,商標法4条1項16号に該当する。

開催日
事件番号平成25年(ネ)第10001
技術分野機械
キーワード文言侵害、均等侵害
担当弁理士香坂薫
原告大王製紙株式会社、エリエールプロダクト株式会社
被告ユニ・チャーム株式会社
判決結果控訴棄却
争点文言侵害の成否
事案の概要

本件は,発明の名称を「使い捨て紙おむつ」とする特許権(特許第4198313号)を有する控訴人らが,被控訴人が製造・販売する紙おむつは同特許の特許請求の範囲の請求項1及び3記載の各発明の技術的範囲に属しており,その紙おむつの製造・販売は上記特許権を侵害すると主張して,被控訴人に対し,不法行為に基づき,損害賠償を請求した事案である。原審は,上記紙おむつは,上記各発明の技術的範囲に属しないとして,控訴人らの請求をいずれも棄却したため,控訴人らが,上記の裁判を求めて控訴した。

裁判所は、『構成要件Cの「前記腰下部の前記伸縮部材は,前記腰下部の中央部を除く左右脇部に配置され」における「腰下部の中央部」を,吸収コアの位置する中央部のみに限定することはできず,控訴人らの上記主張を採用することはできない』とした。